ちょっと待って！猫の鍼治療は効果があるのか？
皆さんは猫ちゃんに鍼治療をしたことがありますか？
たまたまTwitterでこんなツイートを見かけたました。
両手の痛みと火照りが酷いので
— cacao99 (@elekingyy) September 14, 2018
更年期障害で検索
目白の鍼灸院に行って来た
細かく問診してもらって
じっくり鍼治療
どうも水分が溜まりやすいようで、手先のぷくぷくパンパンに繋がっている様子
自律神経を整えるツボも鍼治療してもらって帰宅
次回はお灸を据えてもらう予定
猫パンチキター pic.twitter.com/qW6pnpJZoq
どうやら、鍼治療を受けてきたらしいのですが、個人的に猫の鍼治療を聞いたことがなかったので、いったいどういうものか調べてみることにしました。
というわけで、今回のテーマは
猫の鍼治療とはなんだろう？ です。
鍼治療とは？
鍼治療とは、鍼を刺すことで、苦痛を緩和し、本来の回復力（自然治癒力）を引き出す治療のことです。この治療は、東洋医学の考え方である、自然治癒の力で病気を治すという考え方から生まれました。
なぜ、鍼治療は知られていないのか？
私自身、鍼治療に対して、面識がなく、全く知識がなかったので本当に大丈夫なのかと思っていました。
そこで、なぜ治療方法としてあまり知られていないのかについて調べてきました。
鍼治療は、東洋医学の一つですが、この東洋医学が日本で重視されなかったことが背景にあるようです。
というのも、明治時代に西洋の文化が入ってきて、医学の世界で、東洋医学の研究から、西洋医学の研究に研究対象がシフトしたことが普及できなかった原因だそうです。
とはいっても、そもそも治療の根拠がないのでは... という意見もありそうなので、論文や雑誌等を調べてみました。
こちらは、鍼治療の鎮痛効果について調べた記事です。
https://www.tau.ac.jp/outreach/TAUjournal/2009/Kaptchuk3_2009.pdf
この記事は、鍼治療の効果を疑っている人の視点で書かれているのですが、実際には鍼治療特有の効果があるのではということを明らかにしました。
というのも、人間は、良い薬だと効くと、実際にはなんの効果もないただの水でも効果があるように感じてしまう（ブラセボ効果）というものがあります。
この研究では、実際の鍼治療と偽の鍼治療で脳の刺激の反応を比較することで、鍼治療に効果があるのかを調べています。
すると、鍼治療と、偽の鍼治療の刺激で脳の反応する部位が異なっていることが明らかになりました。
つまり、鍼治療をすると通常とは異なる部位に変化があったことから、
何らかの効果が鍼治療にはあることが分かりました。
何に効果があるの？
では、何に効果があるのかということですが、一般的に知られているのは以下の通りです。
・関節上の問題
・脊髄、神経の問題
・免疫障害
・血行促進 など．．．
特に、鍼治療には、麻酔と同じ効果があるそうで、それぞれの症状に対する痛みの軽減が最もな効果だそうです。
※ただし、高齢の猫は鍼治療での麻酔の効果が15分～20分と時間がかかるそうです。
猫ちゃんに鍼治療をしても大丈夫？
いくら効果があると言っても、鍼治療をやらせるのは怖いですよね。なぜなら、体に針を刺すから痛いんじゃないかと思ってしまうからです。
しかし、それに関しては安心して大丈夫だそうです。猫の鍼治療は獣医師の資格がないと行えないという決まりがあるので、根拠のない治療をされる可能性はありません。
また、鍼の痛さに関しても、研究で明らかになった特定のツボに刺していくので、痛みを感じることはほぼないと言えます。
どういう猫ちゃんが鍼治療を受ければ良いか？
どうしても薬が効かない、または、副作用が出てしまうという猫ちゃんには鍼治療がおすすめです。というのも、鍼治療は、自分自身の自然治癒力（抗体など）を高めるために行われるので、治療そのものが、体に害を与える心配がないのです。
薬の場合は、体の中に本来はないものを取り入れて治療します。つまり、言い換えれば、異物を体内に取り入れることだと言えます。医療事故がおこるのは、そもそもこれが原因なのです。※もちろん、多くの猫ちゃんは大丈夫です
なので、薬に弱くて体調が崩れやすい猫ちゃんには鍼治療がおすすめです。
また、鍼治療には、モルヒネなどの麻酔の効果と同じ効果が研究で証明されています。なので、体に痛みを抱える猫ちゃんには、痛みを軽減する鍼治療は有効です。
今回は鍼治療について取り上げました。鍼治療を調べる前は怖い印象でしたが、痛みの軽減などの効果が研究で明らかになっていることが分かりました。
猫ちゃんの体質や症状を見ながら、鍼治療をするかしないか判断してはいかがでしょうか？
